2024年3月14日木曜日

AMD dGPU DX11-12世代

2022/12~ Radeon RX 7k5nm DX12 OGL4.6~ OCL2.1

DP2.1(UHBR13.5まで)、HDMI2.1a対応。

チップ名 製品族名 標準端子構成 注釈
Navi 31 RX 7900XTX DP*2, HDMI, USB-C 同系チップレット採用の業務用ブランド、RadeonPro W7900のDPはUHBR20対応。UHBR20のリンク速度を保証するには、コアはもちろん基板やコネクタ部分にもコストかかるってことかな? 出力端子も四つしかないので、ハイエンドのディスプレイコントローラ六基の伝統はNavi21で打ち止めか。
RX 7900XT
RX 7900GRE 2024年3月国内発売。去年(卯年)に中国限定で発売されていたもので、Golden Rabbit Editionの略。性能的には7900無印とでも呼ぶべきもの。Type-C搭載品は無し?
Navi 32 RX 7800XT DP*3, HDMI ハイエンドより九ヶ月遅れて登場のミッドレンジモデル。上位の約2/3規模。リファレンス基板でもUSB-Cは無い。
RX 7700XT
Navi 33 RX 7600XT 24年1月登場。VRAM16GB仕様。
RX 7600 23年5月、nVIDIAの4060Tiの価格を見てからの登場。x8リンクのローエンド。Navi33は元々ノート向けのGPUで、従来作と同じ一つのダイにコアとメモリコントローラが統合されたワンチップ設計。

CPU戦線でIntelを追い詰めたチップレットデザインの方針を、GPUでも展開することにしたAMD。GPU中核となるGraphics Compute Dieと、メモリコントローラ&Infinity Cacheの役割を果たすMemory Chache Dieに造り分けることで、製造コストの低減を目指した。前作Navi21のダイサイズが520mm平方なのに対して、Navi31のGCDは300mm平方とコンパクトになっている。

※23年9月追記。 各リークサイトの情報から察するに、今作でAMDがやりたかったことは割と明らかで、MCDだけでなくGCDも複数搭載したかった、というのが本来の狙いだろう。当初AプランとしてNavi31のGCD二個版でnVIDIAを出し抜くことを考えていたが失敗。Bプランとしてより規模の小さいNavi32のGCD二個版を開発していたがこれも諦めざるを得なかった。しかたなく単GCD構成でNavi32を出して、StarFieldバンドルで売り抜けるCプランを考えた、というところだろう。

 

なおDP2.1だが、別に2.1を名乗るのにUHBR対応は必須ではないらしい。HDMIが18Gbpsでも2.1を名乗れてしまうのと同様か。旧仕様の在庫抱えたケーブル屋に配慮してるんですかね。

2020/11~ Radeon RX 6k7nm DX12 OGL4.6~ OCL2.0

今作の映像出力周りの変更点はHDMI2.1対応。Variable Refresh Rateと Fixed Rate Linkだけの表記で詳細な資料はまだ無し。

また、nVIDIAがAmpereでVirtualLink切った代わりに、今度はRadeon側がDP Alt mode 対応USB3.1 Type-Cをサポート。RadeonではNavi10の時点で既にUSBホスト機能が実装されていたようですね。

Radeon Pro W5700のレビュー記事ではDP Alt modeに15WのPowerDelivery能力ありと報告されてますので、Navi21も最低限その程度はサポートしてきてるのではないでしょうか。

※追記 TechPowerUPのレビューで基板上のUSB-Cインターフェイスチップに言及してます。

チップ名 製品族名 標準端子構成 注釈
Navi 21 RX 6900XT DP*2, HDMI, USB-C L3キャッシュ128MB。同系ダイを採用した業務用Radeon Pro W6800が六系統出力対応なので、これらもDPハブ使えば六画面できそうな気がするが。
RX 6800XT
RX 6800
Navi 22 RX 6700XT DP*3, HDMI 21年3月投入。L3キャッシュ96MB。Type-C採用品は無し? 暗号通貨高騰のおかげで上位の初値と同等以上とかどうなってんの。
Navi 23 RX 6600XT DP*2, HDMI 21年8月投入。L3キャッシュ32MB。PCIeのリンク幅はx8であり、一応エントリーレベルの製品になる。
RX 6600 21年10月投入。ラインナップ最下位のはずなのに三連ファンモデルがあったりしてびっくりだよ。
Navi 24 RX 6500XT DP, HDMI 22年1月投入。Navi24だけは6nm製造。暗号通貨高騰によるビデオカード品薄がなければ、おそらく登場しなかったであろう製品。L3キャッシュ16MB、メモリバス64bit、リンク幅x4。ディスプレイコントローラ二基? 端子が16レーン分の幅を取ってあるのは、重いクーラーに耐えられるようにするためか。
RX 6400 22年4月投入。6500XTの3/4クラスタバージョン。TDP53Wということでロープロモデルが多くなっている。ロープロの新製品はRX550以来五年ぶり。この手の製品は従来なら動画視聴用PCのアップグレードに、という点で考えるところだが、Navi24自体AV1デコード機能が削除されている点は少し残念なところ。

Infinity Cacheと呼称するL3キャッシュメモリガン積み作戦で、大容量VRAM16GBに対するメモリバスの細さをカバー。RadeonとGeForce、久しぶりの実力伯仲がっぷり4つといった感じでワクワクしますね。

2022/05~ Radeon RX 6x50 7nm DX12 OGL4.6~ OCL2.1

Navi2x系のクロックアップリネームシリーズ。Navi24と同じく6nm化の噂もあったが、結局ダイ改版はせず。次世代が順調ということか?

チップ名 製品族名 標準端子構成 注釈
Navi 21 RX 6950XT DP*2, HDMI, USB-C
Navi 22 RX 6750XT DP*3, HDMI
Navi 23 RX 6650XT
Type-Cケーブル一本接続でのDisplayPortとUSB伝送の共存について

Radeonに限ったことではありませんが、今後デスクトップ機でもType-Cケーブルを使う機会が増えてきそうなので、ついでに解説しておきます。

Type-Cケーブル内にはDP/USB3.xどちらにでも使える高速伝送用の差動信号線が四組あります。Type-C DP Alt Modeではそれら高速線全てにDPを割り当てるか、USB3.xと折半するかディスプレイ側の設定で決めることができます。(もちろん、ディスプレイ側にUSBハブ機能があれば、の話ですが。)つまりType-Cケーブル一本のみの接続で、映像とUSB3.xと同時に使いたい場合は、DPは2レーン動作(通常のDPケーブルの半分の帯域)になるわけです。

なお、Type-CケーブルではUSB2.0の伝送もできますが、それにはDPとは別の信号線を使うので、DPとUSB2.0の共存においては帯域に影響はありません。

高速信号用(DP/USB3.x) 低速信号用(USB2.0)
全レーンDP DP DP DP DP USB2.0
DP2レーン +
USB3.x 1レーン
DP DP USB3.x Up USB3.x Down USB2.0

また、HBR3(DP1.4)2レーンとHBR2(DP1.2)4レーンの帯域は同等です。DPのリンク速度によっても使える画面モードが限られてくるわけです。

2019/07~ Radeon RX 5k7nm DX12 OGL4.6~ OCL2.0

GCNからRDNAへと約七年ぶりの基礎アーキテクチャ変更。Turing同様、DSC対応を果たしたことが映像出力面での変更点。PCIe4.0対応ではあるが、現状ゲーム用途でのメリットは皆無

チップ名 製品族名 標準端子構成 注釈
Navi 10 RX 5700XT DP*3, HDMI ASRockより端子六つ備えた製品が出ている。ということで、このシリーズもディスプレイコントローラ六基と考えてよさそう。同じダイを採用している業務用ブランドのRadeonPro W5700では、8Kまたは5K@60Hzを三系統同時出力可能としています。
RX 5700
Navi 14 RX 5500XT 19年12月発売。消費電力の減ったPolaris10といった感じの性能。PCIe端子部はx16に見えるが実際はx8リンク。DVI端子採用品もあるが、どれもシングルリンク。同じダイのRadeonPro W5500では、8K@60Hzは二系統までとしています。

2019/02~ Radeon VII7nm DX12 OGL4.6~ OCL2.0

Vega10の7nmシュリンク品。2018年に出た企業向けRadeon Instinct MI60/50の廉価版。映像出力系はVega10と同等ということで、DSCには対応しない。

チップ名 製品族名 標準端子構成 注釈
Vega20 Radeon VII DP*3, HDMI

ゲーマー視点から見れば、後発でゲーム性能で劣る製品出されても嬉しくないが、VRAM16GB-メモリ帯域1TB/sのスペックは、開発職には嬉しいのかもしれない。

2018/11~ Radeon RX 59012nm DX12 OGL4.5~ OCL2.0

Polaris10の12nmシュリンク版。動作クロック/TDPともに約一割向上。

チップ名 製品族名 標準端子構成 注釈
Polaris 30 RX590 DP*3, HDMI, DVI

シュリンク版なら、性能アップかつ消費電力据え置きくらいやって欲しかった。いろいろと今更感のある製品。

2017/08~ Radeon RX VEGA14nm DX12.1 OGL4.5~ OCL2.0

1707月発表。

チップ名 製品族名 標準端子構成 注釈
Vega 10 RX Vega 64 LC DP*3, HDMI AMD意地の水冷版。
RX Vega 64
RX Vega 56

GP102を上回るトランジスタ数/ダイサイズと消費電力、しかしてゲーム性能はGP104とどっこいって・・・、CPUチームがIntelヒィヒィ言わしている今でなければ出せない製品ですね。HBM2の供給量が少なくて?数出せないけど、出せないなりに仮想通貨マイニング勢に売れてるので店頭在庫は捌けてるようですが。

Polalis10/Vega10の同時出力仕様について

今回、Vega10発表時にマルチディスプレイ周りについて情報アップデートがあったので, PixelFormat32bitの部分だけ見ていきましょう。これ出力段で8bpcにディザリングされるごく普通のカラーフォーマットだと思うので。

4k@60Hz
これは一系統のピクセルクロック533MHz、従来のHBR2の帯域で済む画面モード。Polaris10もVega10もGPUの仕様としては六系統の同時出力が可能。
4k@120Hz
この画面モードのピクセルクロックは1060MHzくらいか。帯域的にはぎりぎりHBR3一本で済む範囲内。しかし120Hz受けに対応したUHDディスプレイっていつ出るんですかね? 受け側ディスプレイ内部で120Hz化するいわゆる倍速液晶TVなら既に市販されているのですが。
5k@60Hz
5120*2880@60Hz。ケーブル一本受けの場合のピクセルクロックは約940MHz。二本受けは約480MHz。以前発売されたDellのUP2715Kは、HBR2ケーブル二本受け、つまりこの表ではDualCable品に相当します。その内ケーブル一本受け、つまりHBR3で5k@60Hzを受けられるディスプレイも出てくるはず。
8k@30Hz
これもHBR3ならケーブル一本で済む画面モード。1707月末発売の8kモニタ、UP3218Kが該当します。Vega10なら8k解像度でトリプルモニタ組めるってことですかね。
8k@60Hz
この画面モードのピクセルクロックは約2090MHz。HBR3でもケーブル二本でUP3218Kに接続する必要があります。

2017/04~ Radeon RX 50014nm DX12 OGL4.5~ OCL2.0

クロックアップリネームシリーズ。今回はローエンド用のダイが追加されている。

チップ名 製品族名 標準端子構成 注釈
Polaris 10 RX580 DP*3, HDMI
RX570
Polaris 11 RX560 DVI,DP,HDMI 中華圏で流通したPolaris11フルスペック版が正式にラインナップ。一応公式としてはTDP85Wということで、補助給電コネクタ有り。補助給電無し版も流通している。
Polaris 12 RX550 新規追加。製品族名としては十の位が一つ減っているだけだが、コア規模はPolaris11のきっかり半分。RadeonのHDMI2.0ネイティブ対応の最安グレード品となる。業務用ブランドで同じダイを使ったWX3100/2100が最大五系統出力ということなので、こっちもDP-MST込みで五系統可能なのかな?

Rx-300以前と比べると、マルチディスプレイについてのアピールが皆無になりましたね。全端子4k@60Hz出力してもスムーズに動くんだろ!?的な勘違いする人間を増やさないためでしょうか。

2016/06~ Radeon RX 40014nm DX12 OGL4.5~ OCL2.0

早々にハイエンドダイ(GP100:トランジスタ数15300M)の販売にこぎつけたnVIDIAに対して、AMDはミッドレンジ(Polaris10:トランジスタ数5700M)からスタート。HDMI2.0b/DP1.4-HDRと、Pascalと同等? この世代から全物理ポートにTMDS用のPLLが実装され、DP to DVI/HDMI変換にわざわざアクティブアダプタを用意する必要がなくなったらしい。

チップ名 製品族名 標準端子構成 注釈
Polaris 10 RX480 DP*3, HDMI VRAM8GB版はちょいメモリクロックが高いものもある。Polaris10系はディスプレイコントローラ六基。
RX470 シェーダクラスタ約1/8無効化版。
Polaris 11 RX460 DVI,DP,HDMI Olandと同等のx8リンク接続。PCIe3.0なら、この程度の規模のGPUでは、x16でリンクするのは電力の無駄ってことなんですかね。ディスプレイコントローラ五基。

2015/06~ Radeon Rx-300 (Pirate Islands)28nm DX12 OGL4.5~ OCL2.0

20nm魔法の剣 な ん て 無 か っ た。

nVIDIAに続き20nm製造を諦めたAMDの新製品群。・・・とは言っても、Fiji以外はクロックアップリネームではあるが。

チップ名 (GCN-Ver) 製品族名 標準端子構成 注釈
Fiji (1.2) Radeon Pro Duo DP*3, HDMI 1604月発表。PEX8474スイッチ下にNano仕様Fiji二つを配置したDualGPUカード。国内流通はツクモのBTO品のみ。次世代プロセス製品群が夏にもって状況だしね、しかたないね。
R9 Fury X Tahiti比2倍のコア規模。High BandWidth Memory採用で基板サイズをコンパクトにできた。いよいよDVI端子も廃止。
R9 Fury シェーダクラスタ1/8無効化の空冷Fiji。やっぱりクーラーで長い。
R9 Nano 空冷シングルファンFiji。基板自体はFuryXよりも短い。スペック表上の数値はFury無印よりも上だが、その通りの性能を発揮してもらうには、徹底した温度管理が必要だろう。
Hawaii (1.1) R9 390X DL-DVI*2,HDMI,DP HawaiiのVRAM8GB品は2014年冬に発売済みだが、今回はそのVRAMクロックが一回り引き上げられている。GF900シリーズ同様のDP端子三つカード製品も有り。290系とのCrossFire構成も可能。
R9 390
Tonga (1.2) R9 380X 1511月登場。去年M295Xという名前でAppleにOEM供給されていたブツのクロックアップ版。ゲームのFPSだけで見ると、GTX960以上970以下といったところ。Tongaで新アーキテクチャを採用したにもかかわらず、去年積極的にアピールしなかった理由も納得だよなぁ?
R9 380 この期に及んでメモリバス256bitのままとは・・・、実はホントに256bitネイティブなんですかね。誰だ真Tongaは384bitとかほざいてたヤツ
Pitcairn (1.0) R7 370 R7-265の後継。TrueAudio/FreeSync無し。DVI/HDMI三系統同時出力時のDVI接続モニタ同型必須制限を引きずっているかもなので、それら目的の人は回避推奨。
Bonaire (1.1) R7 360 DVI,HDMI,DP 1512月に省電力版の360Eが発売。別に上等な部品を使ったとか言うのではないようだが・・・。通常版買って、OverDriveで動力制限引き下げればいいような気もしますが。

DP-MSTハブがあれば、最大六台までディスプレイ扱えるのは前シリーズと同じ。

300シリーズでは、ゲームの最大FPSをドライバ側で指定できる、FrameRate Target Controlという機能が追加されているようです。200シリーズにも解放してくれないかな。

※1507月追記 Catalyst15.7で200シリーズでのFRTC対応。でもフルスクリーン状態限定で、設定できるFPSは55-95の範囲内までと、FreeSync環境での利用を想定した機能みたいなんですよね・・・。ウィンドウモードで旧作ゲーム30FPSにできたらなぁ、と思ってたんですがぐぬぬ。

※1512月追記 今月発行のCrimson(15.12)ドライバでFRTCのFPS上限設定可能範囲が30-200まで拡張されています。フルスクリーン限定とはいえ、ファイル差し替えや特別なソフト導入の必要無く、いろんなゲームをFPS変動幅を抑えてプレイできるのはなかなか(・∀・)イイ!! ・・・FPSが設定値に張り付いてくれるわけじゃないけどね。なお、FRTCを使う場合、垂直同期OFFは必須になります。

また、Crimsonドライバは今月から国内流通の始まったDP1.2 to HDMI2.0アクティブアダプタの正式対応ドライバでもあります。

DPパッシブ変換アダプタを同時にいくつ使用できるか、について推測

今回、マルチディスプレイ周りについては目立った広報はありませんが、仮にGCN1.1系コア以降のTMDS系同時出力三系統までの仕様を引き継いでいるとすると、FuryXの端子構成では、ネイティブのHDMI端子使うのであれば、残りのDP端子群には、二個までDPパッシブアダプタが使えると思います。

Sapphireは、DVI一つHDMI一つDP三つのGF900シリーズっぽい端子構成のR9-390系カードを出してますが、この場合ネイティブのDVIとHDMI端子を使うのであれば、残りのDP端子いずれか一つだけにDPパッシブアダプタが使えることになります。たぶん。

  • AMD Radeon R9 Fury X Graphics Card User Guide

2013/10~ Radeon Rx-200 (Volcanic Islands) 28nm DX11.2 OGL4.3~

製品族名が5桁に達しそうということで、およそ9年ぶりの命名法則変更。R9はコアゲーマー向け、R7はAPUでは我慢できない一般ユーザー向けということらしいが。 正直、どういった意図でR9とR7に名前を付け別けたのかよーわからん。

今シリーズでは、TMDS系(DVI/HDMI)の三系統同時出力が可能になっている。どうみてもKeplerの影響です本当にありがとうございました > nVIDIA

1411月追記。国内外問わず、今シリーズR9/R7の製品で「DVI/HDMIの三系統同時出力ができねーよ!」という声が多いので、改めてAMDカスタマーケアに「同時出力機能は、各カードメーカーに義務づけていることではなく、各メーカーの任意に過ぎないのですか?」と質問を投げてみたところ、「一般的にはDVIに接続している二つのモニターは、同じモデルであることが要求されています。」という回答を頂きました。

チップ名 (GCN-Ver) 製品族名 標準端子構成 ディスプレイコントローラ数 注釈
Vesuvius R9 295 X2 DL-DVI,MiniDP*4 6 1404発表。PEX8474スイッチ下に二つのHawaiiを配置したDualGPUカード。GPUベンダー公式品としては、初の水冷クーラー搭載製品。従来のハイエンドDualGPUカード同様、映像出力端子群は一方のGPUにのみ接続されているので、同時出力の仕様はシングルGPU品と同じ。
Hawaii (1.1) R9 290X DL-DVI*2,HDMI,DP 6 リファレンス品はDualBIOS仕様。Hawaiiベースのカード製品のDVI端子はDVI-Dのみなので、VGA(アナログRGB)の直接出力はできない。
R9 290
Tonga (1.2) R9 285 1409月登場の「Hawaii/Bonaire組」に属する新規ダイTonga。メモリバス256bitの割にはダイサイズはTahitiとほぼ同等なので、いずれ384bitのフルスペック版が出るものと予想されている。
Tahiti (1.0) R9 280X
R9 280
Pitcairn (1.0) R9 270X
R9 270
R7 265
Bonaire (1.1) R7 260X HD7790のクロックアップ版。TrueAudioという音響DSPが有効化されている。
R7 260
CapeVerde (1.0) R7 250X DL-DVI,HDMI,DP 1402月登場のHD7770同クロック品。R7-250製品族は、ローンチ時はOlandベースだったが、1402月末あたりからCapeVerdeベースのカード製品が登場し始めた。GM107対応策かな? 280/270と同じくDVI/HDMIの三系統同時出力を可能としているので、完全リネームではないようだが・・・。
R7 250XE DL-DVI,HDMI,VGA 6? 1408月登場のカード製品。250Xの定格クロックを引き下げ、補助給電無しでも運用可能にしたもの。日本市場限定という触れ込みだが、いかんせんスペック的にも時期的にもインパクトが無さ過ぎる。
R7 250 これも250Xと同時期に登場。こちらはSP数512。250無印ではなくR7-250Eという名前で販売しているカードメーカーもある。
FirePro W4100 MiniDP*4 6 ロープロカード。
Matrox C680 MiniDP*6 6 1412月発売。ついにGPUの自社開発を諦めたらしいMatroxのカード製品。端子ロック機構のついたFireProW600という印象。Matroxのユーティリティソフトでどれだけ差別化できるのか。
Oland (1.0) R7 250 SL-DVI,HDMI,VGA 2 Olandベースの250無印はSP数384、DVIはシングルリンクである。
R7 240 Olandは、OEM向けとしてHD86x0の族名で13年春から販売されていたダイ。GPUの規模としてはCapeVerdeの約半分、PCIeのリンク幅はGK208同様のx8となっている。(OlandはPCIe3.0対応だが。) 公式ページは同時出力数2としているが、これはDP端子を採用していないから?
Caicos (-) R5 230 DL-DVI,HDMI,VGA 2(3?) 1404月登場のHD6450リネーム。

結局のところ、今シリーズは「Hawaii/Bonaire組」と「Tahiti/Pitcarin/Oland組」の二つに別けて考えればいいようだ。前者は、TrueAudioやCF構成時の内部ケーブル不要などの新機能、そして将来的にはG-Sync対抗のフレーム同期機能であるFreeSyncにも対応。Mantle-APIには、HD7k以降のGCN系GPUであれば全て対応する。

Catalyst Omega(14.12)より、FreeSync有効化、DPケーブル二本を使った5120*2880@60Hzモニタ(要するにDell UP2715K)に対応。(ただ、Rx-200シリーズではGF600/700の右に倣えでTMDS系重視のリファレンス基板にしてしまったため、Hawaii/Tonga/Bonaire組のDP端子複数個カードがどうにも少ない。295X2除けば、Sapphireの短基板285カードくらいしかない。おいィ?)

1412月末追記 DVI/HDMI三系統同時出力について推測

検証用にR9-290買ってきて、以下の環境で同時出力を確認しました。

  • ビデオカード MSI R9 290 Twin Frozr 4S OC (BIOS 015.042.000.000)
  • ドライバ Catalyst Omega(14.12)
  • OS Windows8.1Pro 64bit
  • モニタ1 Dell U3014 2560*1600 DVI to DVI接続
  • モニタ2 三菱 RDT271WV 1920*1080 DVI to DVI接続
  • モニタ3 パナソニック TH-20LX80 1366*768 HDMI to HDMI接続

以上のように、どの200シリーズカードでも、必ず二つのDVI接続に同じ型番モニタを用いなければならない、ということはないと思います。おそらくHawaii/Tonga/Bonaire組は、Web上で三系統同時出力できないという報告が皆無なことから、DisplayPLLが追加される等のハードウェア的な改善がなされているのではないかと。280/270のクロックアップリネーム組は、ソフトウェア的対応にとどまっており、それ故に同じ型番のモニタ二台のDVI接続が必要と推測します。

仕事上の都合等で、アダプタ類使わずに確実にDVI/HDMI三系統使いたいというのであれば、Kepler以降のGeForce買った方がいいと思います(最近のドライバで二画面のラージデスクトップもできるようになったし)。Radeonのコーナーでこんなこと書かなきゃならないのは私としても不本意ですが、同じシリーズ名で異なる仕様混在させるべきでないですよAMDは。

2012/01~ Radeon HD7k (Southern Islands/Sea Islands) 28nm DX11.1 OGL4.2~

PCIe3.0。映像出力回路自体に関しては大きな変更は無し。1410月訂正。この世代以降、DPシングルストリームでの4K@60Hz出力に対応。Sharp PN-K321のようなMST入力にて4K@60Hzを実装したディスプレイに対してはディスプレイコントローラ二基で処理。(要するにMST入力ディスプレイへの同時出力は三台まで。)

チップ名 製品族名 標準端子構成 ディスプレイコントローラ数 注釈
NewZealand HD7990 DL-DVI,SL-DVI,HDMI,MiniDP*2 DualGPUカード。12年夏には出るのではと噂されていたが、結局1211月発売、それもAMD非公式扱いになってしまったフラッグシップ。ゲーム用途としてみると、Keplerに比して消費電力効率の悪さばかりが目立つ。
Malta DL-DVI,MiniDP*4 1304月発表。GF-Titan発売を受けてラインナップを見直すことにしたAMD公式のDualGPUカード。PEX8747下に二基Tahitiを接続。上記NZ版よりも若干クロックアップされている。8本のゲームライセンスがバンドル。←日本国内流通品は対象外らしい。
Tahiti HD7970 DL-DVI,HDMI,MiniDP*2 6 リファレンス品はDualBIOS仕様。前世代よりDVI端子を一つ減らして排気面積を稼いだハイエンドカード。 代わりに、MiniDP to SL-DVIアクティブアダプタとHDMI to SL-DVIアダプタが付属し、同梱品のみでDVI三系統出力ができるようになっている。
HD7950
Pitcairn HD7870 2012年末に、シェーダ数二割増しのTahitiベースの7870が投入された。
HD7850
Bonaire HD7790 DL-DVI*2,HDMI,DP シリーズ発表一年経ってから投入の新規ダイ。HD6k以降、Radeonではなかなか採用されなかった二系統デュアルリンクDVIが復活。
CapeVerde HD7770 DL-DVI,HDMI,MiniDP*2
HD7750 DL-DVI,HDMI,DP TDP55WがSouthern Islandsのローエンド。1307よりシェーダ数25%引きのHD7730が出てきている。
FirePro W600 MiniDP*6 ACube扱いの品は、MiniDP to SL-DVIアダプタ六個同梱。
今作のポイント
3GHz-HDMI

TMDSクロック300MHz・・・9Gbpsの帯域が、エンドユーザーに対してようやく明示。RadeonはHD4kからHDMI1.3対応を謳ってきたが、ネット上では「HDMI1.3って規格上はピクセルクロック340MHzまでいけるらしいけど、実際どこまで保証してくれるのよ」という疑問がくすぶっていた。

なお、ケーブル一本で4k2k解像度の伝送を実現するには、受け側デバイスにも相応のレシーバICが必要。そもそもHDMI1.4での4k2k解像度は、リフレッシュレート24Hz~30Hzと、フィルムソース動画の伝送が主目的。毎秒60フレームを狙うとなるとTMDS300MHzでも全然足りない。

Discrete Digital Multi-Point Audio

要するにHDMI/DP音声の複数同時出力対応。RadeonはおそらくHD2k-6kまでずっと音声一系統のみの対応だったと思う。(前にHD5770で試したことがあるが、HDMI/DP両方有効な時は、HDMI側からしか音を出せなかった。)が、HD7k世代では最大六系統の同時出力が可能。

複数出力対応と言ったって切り替え操作が面倒なだけ、と思う人もいるだろうが、Win8&WDDM1.2では、プレイヤーソフトの表示先ディスプレイに合わせて、自動的に音声出力先を切り替える、なんてことも考えられているようで。

ZeroCore Power Technology
GPU無効時の節電機能。CrossFire組む人だけでなく、普段はIGPのみで運用していて、ゲームするときだけビデオカード有効にする、という人にもありがたいことだろう。

2010/10~ Radeon HD6k (Northern Islands) 40nm DX11 OGL4.1~

HDMI1.4a、DP1.2。第三世代UVD。

DisplayPortのMulti Stream Transport対応により、DP-MST対応分岐デバイスがあれば、GPU一つで最大で六系統の同時出力ができるようになった。DP端子の無い製品はHD5kと同じく、二系統までの同時出力となる。

DPへの移行を促すためか、DVI端子が二つあるカードでも、内一つの端子はシングルリンクだったりするので、DVI派の人は注意。

1410月追記。2014年初夏あたりから出てきたDPシングルストリームにて4K@60Hz入力を実装したディスプレイ(Asus PB287Q等)には、HD6kシリーズは対応していない。

チップ名 製品族名 標準端子構成 ディスプレイコントローラ数 注釈
Antilles HD6990 DL-DVI,MiniDP*4 6 PCIeスイッチチップPEX8647下に、二つのCaymanを配置したDualGPUカード。映像出力は全てマスター側GPUに接続。
Cayman HD6970 DL-DVI,SL-DVI,HDMI,MiniDP*2 リファレンスの69xx番台はいずれもDualBIOS仕様。
HD6950 ビデオBIOS書き換えで不活シェーダクラスタの復活が可能な製品も。
Barts HD6870
HD6850 DL-DVI,SL-DVI,HDMI,DP
HD6790 DL-DVI,SL-DVI,HDMI,MiniDP*2
Juniper HD6770 5? 前シリーズのリネーム。
HD6750
Turks HD6670 DL-DVI,DP,HDMI 4? 6670以下は、DVI-IではなくDVI-D端子を採用した製品が多いようだが。
HD6570 DL-DVI,DP,VGA
Caicos HD6450 3?

Sapphireは、基板上にDP to SL-TMDS変換チップを搭載して、アクティブアダプタ不要のDVI三系統出力を可能にしたFlexシリーズを独自にリリースしている。

  • AMD Radeon HD 6800 Series Graphics Display Technologies October 2010
  • AMD Eyefinity FAQs

2009/09~ Radeon HD5k (EverGreen) 40nm DX11 OGL3.2~

HDMI1.3a。リファレンス品はDisplayPort標準装備。S端子はこのシリーズ以降廃止。WDDMドライバ環境でのラージデスクトップが、デスクトップグループという形で利用可能になった。

Vista以降の、WDDMドライバが利用可能なWindowsOSであれば三系統同時出力が可能だが、うち一系統はDPでなければならない。このDP端子は三系統出力時においては、DVI等への変換接続にはアクティブアダプタが必要。

Catalyst10.2以降、DPでの音声出力に対応。

チップ名製品族名Bridged-PCI注釈
HemlockHD5970PCIeスイッチチップPEX8647下に、二つのCypressを配置したDualGPUカード。DualDVI+MiniDPの端子構成。もちろんMiniDP to DPケーブルは付属する。
Cypress (RV870)HD58705870から5770までは、ほぼ全てDL-DVI*2+HDMI+DPの端子構成。
HD5870 Eyefinity6英語圏での通称はE6。Cypressが備える六基のディスプレイコントローラ全てを有効にした製品。MiniDPが六つの端子構成。リファレンス品では、MiniDPからDPへの変換ケーブルが二本、SL-DVIへのケーブルが二本、HDMIへのケーブルが一本付属する。いずれもパッシブタイプ。DVI/HDMI/VGAを三系統以上使いたいなら、別途DPアクティブアダプタが必要になる。
HD5850
HD5830真面目に三画面でのゲームプレイを考えているなら、これ(メモリバス256bit)以上の製品を選ぶべき。
Juniper (RV840)HD5770
HD5750HD5750以下はDP端子の無い製品もあるが、その場合は三系統出力は出来ない。
Redwood (RV830)HD5670
HD5570シェーダ数320基のHD5550も1003下旬より発売されている。
Cedar (RV810)HD5450最下位品とあって、DP端子を持つ製品は少ない。
FirePro 2460CedarベースらしいMiniDP四系統。
FirePro 2270DMS-59端子から分岐ケーブルを介してSL-DVI/VGA二系統。DPへの変換ケーブルは別売り。
  • ATI Eyefinity Technology An in-depth look
  • ADL ATI Eyefinity SDK Whitepaper v1.0 FINAL March 26 2010

3 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

360Eや250XEは駆動電圧がオリジナルより高くなるので選別落ち品の定格クロック引き下げによって全体消費電力を下げたものだと思われます。
また、250XEはロープロ1スロットということでスリムタイプでかつ1スロットしか使えないPCにとっては現在最高性能を出せるグラボと言う事で極めて限定的な環境内でではありますがインパクトはありましたよ。

Unknown さんのコメント...
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匿名 さんのコメント...

nanoはfuryXの電圧調整版なので規模が縮小されているfuryより極端に性能が低いということはありません。gpu温度も80℃で収まっている印象です。詳しくは4gamerのレビューをご覧下さい。

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